スチュワードシップ活動・議決権行使について
スチュワードシップへのアプローチ
弊社は、投資家に代わって運用するポートフォリオの組入企業に対して、効果的なスチュワードシップを促進し実践するように全力で取り組んでいます。投資先企業の企業戦略、投資活動、財務活動、役員報酬、資源利用、規制対応、環境への影響だけでなく、消費者、労働者、事業展開先の地域社会への全体的な影響や関係を評価して、創出されると見込まれる長期的価値を評価し、その価値を引き上げることを目指します。
出所:ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント、2023年12月31日時点
GSAMが考えるスチュワードシップ責任
スチュワードシップ責任に対する考え方
スチュワードシップ責任に対するGSAMの考え方に基づき、弊社では「スチュワードシップ活動に関する基本方針」を策定しております。
スチュワードシップ・フレームワーク
ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントのスチュワードシップ責任推進部は、株式および債券の運用グループと協力し、スチュワードシップへのアプローチの継続的強化を図っています。
弊社は、ベスト・プラクティスを促進するために企業の経営陣との対話を定期的に行い、多くの場合、先を見越したアウトカムベースのエンゲージメントに重点を置きます。
弊社のグローバル議決権行使方針は、ガバナンスやESGの主要テーマに関する最新の見解を取り入れるために、年に一度更新されます。弊社は、さまざまな規制や各国のスチュワードシップ・コードを遵守するために、議決権行使結果を公表しています。
「機関投資家が、投資先企業やその事業環境等に関する深い理解に基づく建設的な「目的を持った対話(エンゲージメント)」などを通じて、当該企業の企業価値の向上や持続的成長を促すことにより、「顧客・受益者」(最終受益者を含む。)の中長期的な投資リターンの拡大を図る責任を意味する。」日本版スチュワードシップ・コード前文より
当社においてスチュワードシップ責任とは、日本版スチュワードシップ・コードにおけるその定義より、広義の受託者責任における機関投資家としての責務の中核にある概念として捉えています。
ESG(環境、社会、ガバナンス)について
GSAMでは、中長期的視点から企業価値および株主価値向上を目的とした様々な取組みを行なっています。 | ||
環境、社会、ガバナンス 投資対象企業との対話や議決権行使、投資プロセスに環境、社会、ガバナンス(ESG)の要素を取り入れることによって、顧客の資産運用の目的に資すると同時に、環境、社会の課題解決に貢献することができると考えています。 |
UNPRIへ署名 GSAMは国連責任投資原則(UNPRI)へ2011年に署名をしております。UNPRIが定めた原則は、受託者責任に沿った範囲で、投資判断プロセスにESG課題を盛り込むことを掲げています。 |
「責任ある機関投資家」 「責任ある機関投資家」の諸原則 《日本版スチュワードシップ・コード》へは2014年に署名をしています。本コードは日本国内の上場企業を対象とするものではありますが、スチュワードシップ責任を果たすというコミットメントはグローバルなGSAMの運用チームに共有されています。 |
エンゲージメント(対話、議決権行使)
スチュワードシップに対する我々のアプローチの重要な構成要素の1つがエンゲージメントです。エンゲージメントは、長期的な価値創造に寄与し得ると我々が考える重要な問題について、経営陣や取締役に対して我々の見解を共有してフィードバックを提供することのできる対話の場となります。エンゲージメントではまた、議決権行使にあたっての判断材料や投資調査の裏付けとなる情報が得られる場合もあります。
議決権行使による株主(投資家)の権利行使は、これを我々に委任した投資家に対するポートフォリオ運用サービスの重要な要素です。弊社が受託者として議決権を行使する指針は、企業の株主価値の最大化に資すると考えられる議案に賛成することで、投資家にとって最善の利益となり得る意思決定を目指すことです。
弊社は「議決権行使の指図にかかる方針」を設け、アクティブオーナーシップの一環として議決権行使を実施しております。GSAMにおける議決権行使ガイドラインは年一回改訂され、コーポレート・ガバナンスや環境、社会的責任に関する考えを随時反映させています。
議決権行使の結果概要 |
議決権行使の結果個別開示 |
2024 |
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2024年1月~3月期 | 2024年4月~6月期 | 2024年7月~9月期 | |
2023 |
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2023年1月~3月期 | 2023年4月~6月期 | 2023年7月~9月期 | 2023年10月~12月期 |
2022 |
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2022年1月~3月期 | 2022年4月~6月期 | 2022年7月~9月期 | 2022年10月~12月期 |
2021 |
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2021年1月~3月期 | 2021年4月~6月期 | 2021年7月~9月期 | 2021年10月~12月期 |
2020 |
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2020年1月~3月期 | 2020年4月~6月期 | 2020年7月~9月期 | 2020年10月~12月期 |
2019 |
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2019年1月~3月期 | 2019年4月~6月期 | 2019年7月~9月期 | 2019年10月~12月期 |
2018 |
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2018年1月~3月期 | 2018年4月~6月期 | 2018年7月~9月期 | 2018年10月~12月期 |
2017 |
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2017年4月~6月期 | 2017年7月~9月期 | 2017年10月~12月期 | |
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旧NNインベストメント・パートナーズ株式会社の議決権行使方針、議決権行使結果 ※以下はゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社との合併(2023年7月1日)以前のNNインベストメント・パートナーズ株式会社の議決権行使方針、議決権行使結果について示したものです。 |
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2022 |
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2022年1月~6月期 | 2022年7月~12月期 |
2021 |
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2021年1月~6月期 | 2021年7月~12月期 |
2020 |
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2020年1月~6月期 | 2020年7月~12月期 |
2019 |
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2019年 | |
2018 |
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2018年 |
ゴールドマン・サックス・グループにおけるレポーティング・開示
ゴールドマン・サックス・グループでは、日々の業務を通じて、環境、社会、および企業統治の問題に積極的に取り組んでいます。 | ||
環境、社会、ガバナンス関連レポート ESGへの取り組み |
UNPRI関連レポート 国連責任投資原則(UNPRI)に対するレポート (外部サイト) |
「責任ある機関投資家」 GSAMスチュワードシップ・レポート ESG Amplified レポート |
業界の関係者(ステークホルダー)との協働
スチュワードシップ責任推進部は、ゴールドマン・サックス・グループのリソースと知見を活用し、さまざまな団体への加盟を通じて、投資家のソート・リーダーとなることを目指します。また、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントの代表としてさまざまな業界団体やフォーラムに参加し、業界の戦略的イニシアティブを支援します。
30% Club
30% Clubは2010年に英国で創設された、取締役会を含む企業の重要意思決定機関に占める女性割合の向上を目的とした世界的キャンペーンです。14ヵ国で展開されており展開国の数は増え続けています。GSAMは機関投資家として30% Clubの活動に賛同し参画しています。
30% Clubからのお知らせ
30% Club ソート・リーダーシップ・インタビュー・シリーズ
取締役会のダイバーシティについて
ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントは 30% Clubのソート・リーダーシップのサブグループ活動の一環で女性リーダーの方々に取締役会や企業全体のダイバーシティ推進についてお話しいただきました。
金融業界の次世代リーダー育成プログラム
2024年10月17日、30%Club Japan インベスターグループ主催、Association for Women in Finance および Asset Management Women’s Forum の協賛・協力による「金融業界の次世代リーダー育成プログラム」を弊社ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社にて開催し、約 80 名の方々にご参加いただきました。
株式会社リクルートホールディングス取締役常務執行役員兼 COO である瀬名波文野(せなは あやの)氏の基調 講演では、今のお立場に就かれるまでのキャリアヒストリーをお話しいただきました。
そして後半のパネルディ スカッションでは、次世代育成・女性活躍を推進していく側として、伊藤忠商事株式会社・鹿島建設株式会社 社外取締役 中森真紀子(なかもり まきこ)氏、日興アセットマネジメント株式会社 代表取締役会長 西田 豊(にしだ ゆたか)氏、ゴールドマン・サックス証券株式会社 取締役 Co-CAO 社長室長 上田彰子(こうだ あきこ)氏をパネリストに迎え、瀬名波氏とともに次世代リーダーの育成の課題と戦略について、貴重なご経験 やお考えをお話しいただきました。
スマート・フォーマット
スマート・フォーマットとは、アセット・オーナー(年金基金等)に対するアセット・マネージャー(運用受託機関)からのスチュワードシップ活動報告に関する新しい報告モデルです。スチュワードシップ活動の中核的な項目を網羅したレポート様式で、これを活用することでアセット・オーナーは各項目に対するアセット・マネージャーの回答をまとめて集計し、効果的なモニタリングが可能になるというメリットがあります。 | ||
スチュワードシップ責任とインベストメント・チェーン
2017年の日本版スチュワードシップ・コード改訂においては、アセット・オーナーが最終受益者の利益の確保のため、スチュワードシップ活動に取り組むべきと明記されています。
(「アセット・オーナーは、最終受益者の利益の確保のため、可能な限り、自らスチュワードシップ活動に取り組むべきである。また、自ら直接的に議決権行使を含むスチュワードシップ活動を行わない場合には、運用機関に、実効的なスチュワードシップ活動を行うよう求めるべきである。」)
また、2018年6月1日にコーポレートガバナンス・コードが改訂されました。そのなかで、新たに「原則2-6 企業年金のアセット・オーナーとしての機能発揮」が設けられました。
(「上場会社は、企業年金の積み立て金の運用が、従業員の安定的な資産形成に加えて自らの財政状況にも影響を与えることを踏まえ、企業年金が運用(運用機関に対するモニタリングなどのスチュワードシップ活動を含む)の専門性を高めてアセット・オーナーとして期待される機能を発揮できるよう、運用に当たる適切な資質を持った人材の計画的な登用・配置などの人事面や運営面における取組みを行うとともに、そうした取組みの内容を開示すべきである。」)
上記の原則においては、アセット・オーナーは、アセット・マネージャーが行うスチュワードシップ活動のモニタリングと、その取り組みの最終受益者への報告が新たな役割として期待されるようになっています。
新たな報告様式(「スマート・フォーマット」)は、各アセット・マネージャーによるスチュワードシップ活動への取り組み状況を、アセット・オーナーが一元的に把握できる仕組みを実現したものです。
GSAMをはじめとして国内における主要な運用機関が中心となり、業界の様々なステークホルダーとの意見交換も踏まえ作成された結果、業界共通の「日本版スチュワードシップ・コード対応報告様式」となりました。また、スマート・フォーマットはスチュワードシップ活動のベストプラクティスの共有、高度化の一助となると考えております。
レポート形式としては、スチュワードシップ活動の中核部分を把握できるような標準的質問項目が設定されており、アセット・オーナーにとって、アセット・マネージャーによる報告内容が統一されることに加え、最終投資家への報告においても価値あるものになると考えております。
スマート・フォーマットの活用
スマート・フォーマットは、アセット・マネージャー(運用機関)によるスチュワードシップ活動への取り組み状況を、アセット・オーナー(企業年金基金)の皆様で一元的に把握できる仕組みを目指し作成されました。プロセスは次の2つです。
① 標準的な質問項目の提供(スマート・フォーマット)
② スマート・フォーマット上で各項目に関するアセット・マネージャーの回答をまとめて集計、モニタリング
報告様式の共通化による利点
【アセット・オーナーにとって】
- 各アセット・オーナーが毎年質問事項を検討、承認するプロセスを経て業界のベストプラクティスを共有
- 報告内容の標準化によりアセット・マネージャー間の比較が容易(新規採用の際の参考にも利用可能)
【アセット・マネージャーにとって】
- スチュワードシップ責任の担保、報告の透明性の確保
- 企業との対話など高付加価値分野への更なる資源投入が可能
この報告モデルはあくまでもアセット・オーナーとアセット・マネージャーとの間の説明責任を担保する一助となるものであり、各アセット・オーナの独自性や創造性を妨げるものではありません。むしろ専門性や生産性の向上によって、より創造的な分野への取り組みを促進することを目的としております。
各年金基金において独自の報告が必要となる場合は、運用機関において追加的に対応することを想定しております。逆にアセット・オーナーに課題意識があれば、スマート・フォーマットに加え、プラスアルファの独自の追加質問を設定することで質問項目を拡大させ、スチュワードシップ活動を深化させることができます。
※スマートフォーマットは、適宜更新予定
スマート・フォーマット使用の手引き
スマートフォーマットは日本版スチュワードシップ・コードに対応した、スチュワードシップ活動に関する報告様式です。
- 運用受託機関(アセット・マネージャー)が、お客様(アセット・オーナー(年金基金等))へスチュワードシップ活動について報告をする際に利用できます。
- アセット・オーナーはこの内容を集計、モニタリングをすることで、アセット・マネージャーのスチュワードシップ活動に対するアプローチや活動状況を把握することができます。
報告、集計共に同じExcelファイル上で行います。
スマート・フォーマットのファイルには5つのシートがあり、「スマートフォーマット」、「議決権行使状況」については、アセット・マネージャーが入力、それをもとにアセット・オーナーが「集計元」を用いて集計することで、各アセット・マネージャーのスチュワードシップ活動状況を横並びで比較できるようになっています。また「集計」のシートには自動で項目別の状況が示されるため、運用委託会社の状況を一目で把握できる機能も備えています。
スマート・フォーマットの詳細な使用方法については下記アセット・マネージャー/アセット・オーナー向けの手引きをご参照ください。
アセット・オーナーの皆様へ
スマート・フォーマットに関するお問い合わせは、弊社担当営業または
スチュワードシップ責任推進部(am-tk-srg-contact@gs.com)までご連絡下さい。